書籍の裏表紙や奥付ページに「ISBN978-4-・・・」から始まる文字列が印刷されていますが、これが「ISBNコード」「日本図書コード」です。
 ISBN(国際標準図書番号:International Standard Book Number)は、固有の書籍出版物を発行形態別、1書名ごとに識別するユニークなコードとして、今では200の国と地域(2022.4現在)で発行される書籍に表示されています。
 書誌情報(どこの国の、何という名称の出版者が発行する、何という書名の書籍か)を特定して書籍の取引や図書目録の編纂に活用されています。
 (加盟する国と地域はISBN国記号一覧表を参照)
 日本の出版界では、国際標準ISBNに、日本独自の国内基準である図書分類記号と価格コードを付加して、「日本図書コード」として標準化しています。そして、「日本図書コード」を2段一組のバーコードにシンボル化したものを「書籍JANコード」と言い、表示見本(表4見本、奥付見本)のよう表示し、流通上の必要に応じて使用することができます。注)「書籍JANコード」を使用する場合、別途登録申請が必要です。
 【ISBN出版者記号の登録と書籍JANコードの役割】の節も併せてお読みください。
 下記の表示見本は、日本図書コード管理センター発行『ISBNコード/日本図書コード/書籍JANコード 利用の手引き 2010年版』での日本図書コードと書籍JANコードの表記・印刷例です。あくまでもひとつの表示例であり、表記サイズも規定のものと一致しておりません。
 規定詳細は『利用の手引き』を参照してください。

表4見本

奥付見本

 国際標準は、ISBNを付与できる出版物の範囲をその発行形態によって制限しています。
 出版企画や流通が多様化して、ISBN の付与基準があいまいになっているのでは?との声が聞かれます。そこで、ISBN 国際基準に基づいて日本図書コード管理センター管理委員会が策定するガイドラインを示します。
 なお、ご不明の場合は当センター事務局にお問合せください。

ISBN の付与対象となる出版物の形態

印刷・製本された書籍

(雑誌、新聞、定期刊行物、ISSN の対象となる逐次刊行物を除く)

雑誌扱いで配本されるコミックスとムック

書籍と同様に長期間にわたる流通(注文・送品・返品)に対応する要請からISBN が必須。

点字出版物
マイクロフィルム出版物
電子書籍又は書籍をそのままデジタル化した出版物
カセットテープ/ CD等に朗読音声などを録音、収録するオーディオブック
地図(1枚物の印刷物は対象外ですが地図はその例外です。)
テキスト・イラスト等の書籍出版物を主な構成要素とする複合メディア出版物

書籍を本体として、書籍の内容と関連するCD・DVDなどメディア製品が表紙周りまたは本文ページに補完的に組み込まれた出版物。

ISBN を付けられないもの(例示)

雑誌、新聞、定期刊行物、ISSN の対象となる逐次刊行物

定期刊行物コード(雑誌)、ISSNコードなどの付与対象となります。

宣伝、広告物など短期的に利用される冊子・印刷物
手帳、日記、カレンダー
楽譜印刷物(ISMNを付与。詳細はISMNコードセンターにお問い合わせください。)
扉も本文もない1枚もののアートプリント複製物、ポスター・カード類
音楽CD、映像DVD、ゲーム
個人的文書(履歴書、個人情報など)、原稿そのもの。
電子掲示板、Webサイト、ブログ、電子メールなど

2005年5月・日本図書コード管理センターマネジメント委員会公表

Web 上のデジタルコンテンツ(電子書籍など)に対するISBN 付与の基準【要旨】

  1. Web 上で提供される電子書籍・eブック(編集・記録された内容が、利用者によって改編・更新が不可能である発行物)に対してもISBN コードを付与することができる。ただし、Web マガジンを含む雑誌は除く。
  2. すでに、発行されている書籍出版物を、電子書籍・eブックの形態で発行する場合でも、オリジナルの書籍出版物とは異なる新たなISBN コードを付与する。また、電子書籍はファイルフォーマットごとに異なるISBN コードを付与する。
  3. 電子書籍に付与するISBN コードは、原則としてタイトルページまたはトップページに目視可能な大きさで表示する。

2011年7月・日本図書コード管理センターマネジメント委員会公表

電子書籍へのISBNの適用

1、ISBN出版者記号の登録をする

 日本国内で発行する書籍にISBNを付与しようとする出版者は、日本図書コード管理センターに「ISBN出版者記号」を登録する申請をしてください。
 出版者記号の発行通知を受けた出版者は、ISBNコード/日本図書コード/書籍JANコード 利用の手引き』のルールにしたがって、個別の書名の書籍ごとに固有のISBNコードを作成して、付与、表記してください。市販品の場合は、さらに日本国内で流通させるためのコード(分類記号・価格コード)を加えて「日本図書コード」として完成し、次に説明する「書籍JANコード」とともに書籍に表記して発行してください。

2、書籍JANコードの役割と登録について。

 「書籍JANコード」は、「日本図書コード」の文字情報を2段のバーコードシンボルで表現したものです。書籍出版物を市場で流通・販売する場合は、「書籍JANコード」を表記・印刷することが不可欠です。ネット書店を通じて販売する場合にも表記を求められることもあります。
 「書籍JANコード」を使う場合は、出版者ごとにGS1 Japan(流通システム開発センター)以下GS1 Japanへ申請をして使用するために正規の手続きをする必要があります。
(1) JAN(Japanese Article Number)コードは、国際標準の商品コードであり、わが国の共通商品コードとして流通情報システムの重要な基盤となっています。JANコードはバーコード(JANシンボル)として商品などに表示され、POSシステム、受発注システム、棚卸し、在庫管理システムなどに利用されており、さらに利用分野の拡大がみられます。
(2) 「書籍JANコード」は、一般消費財に使われるJANコードと同様、流通に対応するために日本図書コード(ISBN)の文字情報をバーシンボル(JANシンボル)で表示するために使います。 これは書籍出版物用のみに使用するJANコードで、一般消費財に使われるJANコードとはコード体系が異なります。1990年3月に日本国内のJANコードを付番・管理するGS1 Japanと書籍業界が合意して制定されました。
(3) 現在、出版市場で流通・販売される書籍出版物への書籍JANコードによるバーコード表示率は、新刊ではほぼ100%に達しており、出版取次会社と書店などの流通においては表記することが必須となってきています。 出版取次会社では、新刊の送品や注文品処理、返品処理の際に自動読み取りしており、物流のスピードアップとコスト削減に貢献しています。書店では、POSシステム、返品処理、棚卸し業務等に活用され、書店の単品在庫情報管理に威力を発揮しています。

※「書籍JANコード」については以下リンク、GS1 Japan内「書籍JANコードとは」もお読み下さい。
GS1 Japan「書籍JANコードとは」(https://www.gs1jp.org/code/jan_publication)

※書籍JANコードの使用規約は下記をご覧ください。
「書籍JANコード使用規約」

※GS1 Japan 一般社団法人流通システム開発センターへのお問い合わせはこちら