書籍出版流通とISBN

 日本国内で発行する書籍にISBNを表記しようとする方は、日本図書コード管理センターに「ISBN出版者記号」の発行を申請してください。出版取次会社や書店(ネット書店も含む)を通して本を販売しようとする場合、ほとんどの方がISBNコードを付けることを要求されるはずです。また、非売品であっても、図書館へ納める場合にISBNコードが必要になることがあります。
 日本図書コード管理センターから出版者記号の発行を受けた方(法人・個人を問いません)は、自らが発行者として個別の書名ごとにそれぞれ固有のISBNコードを付与して表記します。
 さらに、書籍を市販する場合はISBNを含む日本図書コードの文字表現だけでは足りず、書籍JANコードも併せて表記することが一般的です。書籍JANコードは、日本図書コードを2段のバーコードシンボルで表現するもので、情報処理を効率的に進めるため、書店のPOSレジをはじめとする流通販売システムでは不可欠のコード表現となっています。
 ただし、これらのコードを表記さえすれば、あなたの発行する書籍が無条件で流通するわけではありません。ISBNやJANコードを表記することは流通する上で必要な手段ですが、コード番号を付けたり、出版者記号を登録すれば取引が保証されるわけではありません。誤解のないようにご理解ください。
 ISBNコード/日本図書コード/書籍JANコードなどの概念を図によって示すと次の通りです。いずれも表記の場合の実寸大ではありません。

書籍関係のコード表現

ISBNコードの付与と運用

 「日本図書コード管理センター」は、“1書名”ごとにISBNコードを割り当てる方式をとっておりません。出版者の申請に応じて、一定の書名枠をもつ“出版者記号”を割り当てします。書名ごとにISBNコードを付与する役割は登録出版者が担う方式をとっています。自由闊達な出版活動を少しでも妨げるべきではないという「日本図書コード管理委員会」の考え方の現われです。それは同時に書名ごとの書籍に対するISBNコード付与と表記の責任は、それぞれの登録出版者が負うことを意味します。
 ISBNコードの誤った運用方法や表示は、流通に大きな混乱をもたらし、取引先や読者だけでなく、出版者自身にも負担が及びます。また、場合によっては、ISBNの基本理念を揺るがすこととなり、ISBNシステムの崩壊にもつながりかねません。正しい使い方をしていただくことは、ISBN出版者記号を登録する出版者にとって義務であり責任です。また、正しい運用がもたらす利便性には計り知れないものがあります。
 ISBNは国際規格です。ISBN国際機関との契約に基づいて、日本国内におけるISBNの発行管理は『日本図書コード管理センター』へ独占的に委任されています。したがって、日本図書コード管理センター以外からの運用上の通知、情報については一切無視するようにしてください。ご不明の点、ご質問等は、必ず日本図書コード管理センターにご照会ください。ISBNの誤った使用について、流通業者がこう言ったからとか、他の出版者がこうしているから、ということは通用しません。
 ISBN出版者記号の発行は下記の様式で通知されます。

ISBN出版者記号発行通知書記載例(一部抜粋)<6桁取得例>
ISBN出版者記号のお知らせ

ISBNコードの意義と利便性

 ISBNは、13桁からなるコード番号によってあらわされ、書籍出版物の書誌を特定することができます。
 例えば、当センターが発行する手引書に表記されている「ISBN978-4-949999-12-0」というコード番号は、「日本図書コード管理センター」という出版者が発行する「ISBNコード/日本図書コード/書籍JANコード 利用の手引き 2010年版」という固有の発行形態と書名をもつ書籍を識別するISBNコードです。国内のみならず世界中どこを探してみても、この固有の書籍のほかに同一のISBNコードをもつ書籍はありませんし、あってはならないのです。
 一度でも付与・発行されたISBNコードは、その本が絶版になった後も永久欠番とすることがISBNのルールです。また、同一の書籍に異なる複数のISBNコードを同時に付与されることもあってはいけません。
 このルールが守られることによって、出版者や流通関係者は固有の書籍情報を共有して読者の需要に迅速、的確に応えることができます。また、図書館においては、書誌情報を正確に管理して利用者に提供することができるのです。
 ISBNは、法律や条約で定められたものではありません。世界の出版界が共有する“社会標準”です。発行する書籍に必ず付けなくてはならないという法的な拘束力はありません。しかし、苦労をして発行した本が一人でも多くの読者に伝わるためには、その本に関する情報が世の中で広く共有されることが必要です。ISBNは、書誌情報を検索するためのキーとして重要な役割を果たします。
 日本におけるISBNの導入に際して、出版者、出版流通、販売関係者、図書館関係者からなる委員会(現・日本図書コード管理センターマネジメント委員会)が、ISBN国際基準に準拠して日本国内の運用ルールを策定しました。ISBNがその機能や利便性を十分に果たすためのルール確認やガイドラインにかかわる協議は、現在も引き続き実施されています。
 多様化する出版流通を背景に、ISBNコードが果たす役割はますます重要になっています。ISBNコード付与者である出版者の方々には、自らもかかわって取り決めたルールやガイドラインを自ら乱すことなく、ISBNが “社会標準”としての役割を十分に果たせるようご協力をお願いします。
 また、ISBNの維持のために委員会の決議に基づき、ISBN国際本部運営費用の分担をすべての登録出版者に対してお願いをしております。ISBNが、登録出版者相互の協力と負担によって支えられていることもご理解ください。