―『ISBNコード/日本図書コード/書籍JANコード 利用の手引き 2010年版』補追資料―

電子書籍へのISBNの適用

2010年11月、ISBN国際機関は「電子書籍と“アプリ”に対するISBN付与のためのガイドライン」を公表しました。これに基づき、日本図書コード管理センターマネジメント委員会は、2005年5月公開「Web上のデジタルコンテンツに対するISBN付与の基準」に追加して「電子書籍へのISBNの適用」を公表いたします。
以下に記載されていない事項については、2005年5月公開版及び既存のISBN運用基準に準拠してださい。

2011年7月
日本図書コード管理センター マネジメント委員会

  1. ISBNは、最終利用者(読者等)が利用可能な書籍のための識別子です。電子書籍の場合、コード付与の対象となるのは読者の手に届く製品であり、その原作品や原稿に対してはもちろんのこと、製品を作製するための汎用ファイル、及び、製品への変換サービスに用いられる中間フォーマットファイルなどはISBNコード付与対象とはなりません。
  2. 電子書籍が異なるファイル形式(例:epub、PDFその他)で、それぞれが独立して利用可能ならば、異なるISBNコードを付与することになります。
  3. 同一書名で同じファイル形式の場合でも、利用者向けの機能として著作権上の制限(ファイルのコピーの可否、プリントアウトの可否、レンタル版とセル版の違いなど)がある場合は、異なるISBNコードの付与が必要になります。
    ただし、電子書籍を読むためのデバイスや電子書籍を読むためのソフトウェアが異なっても、異なるISBNを付与する必要はありません。(例:モノクロ版とカラー版の2種の電子書籍が発行・供給される場合はそれぞれ異なる版として異なるISBNコードが付与されるが、カラー版のみが提供される場合、デバイスやソフトウェアがモノクロ表示しかしないというケースではISBNコードを変更する対象とはならない。)

  4. テキストを主たる構成要素として、音声、映像その他のコンテンツが併録された電子書籍は、それらが併録されない版の電子書籍とは異なるISBNを付与する必要があります。
  5. 電子書籍の出版者は、変換サービスを仲介業者に委託して発行する異なるファイルフォーマットの電子書籍に対しても、自分自身でISBNコードを付与する必要があります。
    *ISBN国際機関は、出版者から変換サービスを委託された仲介業者が、変換後の異なる電子書籍版にそれぞれ異なるISBNを必要とするにもかかわらず、出版者がそれに応じない場合について、「この目的のために最後の手段として、仲介者は出版者に出版者に代わってISBNを割り当てることが許される」としています。しかしながら、日本国内においては、このような場合は日本図書コード管理センターにご相談ください。

  6. 一冊の図書を電子書籍として出版する場合でも、章単位で、又は、部分ごとに分割して利用者が入手可能な発行形態をとるならば、それぞれの章、部分を固有の電子書籍とみなして、異なるISBNを付与する必要があります。
  7. 電子書籍のアプリは、テキストと他の内容に読むためのソフトウェアを組み合わせたものです。ISBN付与の対象となるためには、テキスト等が主たる構成要素である場合に限ります。また、ソフトウェア部分が異なる(例:異なるオペレーティングシステム上で使用されるなど)ならば、異なるISBNを付与することになります。

なお、以上の文書ならびに2005年ガイドライン、利用の手引きに記載のない事項については、その都度日本図書コード管理センターまでお問合せください。